平成14年度 森林及び林業の動向に関する年次報告 より

事例III-9 林業家主導による連携の取組(徳島県羽ノ浦(はのうら)町)

 徳島県内の「TSウッドハウス協同組合」は、5名の林業家が共同出資して活動している。供給する木材については、60年生以上のスギであること、伐り旬( 注1 )を守った伐採を行い、葉枯らし乾燥( 注2 )と天然桟積乾燥( 注3 )を行うことにこだわりを持っている。

注1:伐採に適した時期。樹木の生理的活動が活発でない秋から冬にかけてがその時期。伐り旬を守れば、虫や菌類の被害が少ないとされている。

注2:伐倒した木を枝葉のついたまま一定期間森林内に放置し、残した葉からの水分蒸発によって材の含水率を低下させる方法。

注3:乾燥しようとする木材の間に桟木をはさんで積み重ね、天日により乾燥させる方法。

これらの木材は強度が強く、梁(はり)にも使用でき、葉枯らし乾燥と天然桟積乾燥により、木の持つ本来の色、艶を残すことが出来るという。

製材品の価格は市場価格そのままを基準にするのではなく、伐採後の造林を可能とし、循環させることができる水準を林業家が設定し、販売する努力を続けている。(写真)

TSウッドハウス協同組合の伐採現場と植林体験